ファクタリング利用者の会 – 経営者同士の情報交換

ファクタリングを実際に利用した中小企業経営者が集まる情報交換の場。実体験に基づく手数料情報、業者比較、成功・失敗談を共有し、同じ悩みを持つ経営者同士で支え合います。

大手vs中小ファクタリング会社〜どちらを選ぶべきか徹底分析〜

こんにちは、「ファクタリング利用者の会」の佐藤です。

建設資材の卸売業を経営していると、どうしても資金繰りに頭を悩ませる場面が出てきます。

私もコロナ禍で初めてファクタリングを利用した時、大手と中小、一体どちらに頼るべきか、本当に迷いました。

業者発信の情報は多いものの、我々利用者側の本音の情報は驚くほど少ないのが実情です。

そこでこの記事では、私の会社での利用経験や、多くの経営者仲間から聞いた話を基に、大手と中小のファクタリング会社、それぞれのリアルな実態を徹底分析します。

手数料やスピードといった数字の話はもちろん、担当者の対応や手続きの手間といった「使ってみて初めてわかる」部分まで、包み隠さずお話しします。

この記事を読めば、あなたの会社の状況に最適なファクタリング会社を見極める「判断軸」が手に入るはずです。

一緒に考えていきましょう。

【結論から】私の経験則:大手と中小はこう使い分ける!

記事の冒頭ですが、皆さんが一番知りたいであろう結論からお話しします。

これは数々の失敗と成功を繰り返してきた、私なりの使い分けの基準です。

私が考える基本的な使い分けマップ

会社の状況によって、選ぶべき相手は全く変わってきます。
私は頭の中で、こんな風に整理しています。

  • 大手ファクタリング会社が向いているケース
    • 金額:1,000万円以上の高額な売掛金を資金化したい。
    • 時間:入金まで1週間以上の時間的余裕がある。
    • 取引先:3社間ファクタリングの承諾を得られる、信頼関係のある取引先。
    • 重視すること:何よりも手数料の安さと、会社の信頼性を優先したい。
  • 中小ファクタリング会社が向いているケース
    • 金額:数百万程度の、比較的に少額な売掛金を資金化したい。
    • 時間:数日以内に、とにかく早く資金が必要。
    • 取引先:取引先に知られずに、2社間ファクタリングで完結させたい。
    • 重視すること:赤字決算など、自社の状況に不安があり、柔軟な審査を期待したい。

なぜ、この使い分けが重要なのか?

なぜ、このような使い分けが重要なのでしょうか。

それは、会社の状況に合わない相手を選ぶと、かえって時間やコストを無駄にしてしまうからです。

私自身、以前に手数料の安さだけで大手を選んだ結果、手続きに手間取ってしまい、肝心な支払日に間に合うかヒヤヒヤした経験があります。

逆に、緊急時に中小のスピード対応に救われたことも一度や二度ではありません。

大切なのは、あなたの会社の「今」の状況を冷静に見極めることなのです。

数字とデータで見る!大手と中小ファクタリング会社の徹底比較

私の経験則だけでなく、客観的なデータも見ていきましょう。

一般的な相場に、私や仲間の経営者の「実感」を加えて比較表にしてみました。

比較項目大手ファクタリング会社中小ファクタリング会社佐藤のワンポイント解説
①手数料◎ 安い傾向
(3社間: 2-9%)
△ 割高な傾向
(2社間: 8-18%)
3社間なら大手に軍配。でも2社間だと中小と大差ないことも。
②入金スピード△ 時間がかかる傾向◎ 速い傾向「最短即日」は中小の強みですが、初回はどこも数日かかります。
③審査の柔軟性△ 厳しい傾向◎ 柔軟な傾向赤字決算や税金滞納でも相談に乗ってくれるのは、中小ならでは。
④取扱金額◎ 大口に強い○ 少額から対応数十万円の少額案件なら、中小の方が話が早いですね。

①手数料の比較:本当に安いのはどっち?

数字だけ見ると、やはり大手に分があるように見えます。

特に取引先の協力が得られる「3社間ファクタリング」であれば、手数料はかなり低く抑えられます。

しかし、取引先に知られたくない「2社間ファクタリング」の場合、大手でも手数料は上がり、中小と大差なくなるケースも珍しくありません。

②入金スピードの比較:最短即日は本当か?

「最短即日入金!」という広告をよく見かけますが、これは中小ファクタリング会社の得意分野です。

社長決済でスピーディーに進むことが多く、実際に私も翌日入金で助けられた経験があります。

一方、大手は組織が大きい分、どうしても審査や手続きに時間がかかる傾向がありますね。

③審査の柔軟性の比較:見られるポイントの違い

大手は売掛先の信用力はもちろん、自社の財務状況もある程度見られる印象です。

その点、独立系の中小ファクタリング会社は、売掛先の信用力を最も重視します。

「うちは赤字だから…」と諦める前に、中小に相談してみる価値は十分にあります。

④取扱金額の比較:いくらからいくらまで?

数千万円といった大口の資金調達であれば、体力のある大手が安心です。

逆に、100万円以下の少額案件だと、大手では断られてしまうことも。

中小は数十万円から対応してくれる会社が多く、小回りが利くのが特徴です。

【体験談】大手ファクタリング会社のメリット・デメリット

私自身、コロナ禍で初めて利用したのは大手ファクタリング会社でした。

その時の具体的な経験から感じたメリット・デメリットをお話しします。

メリット:圧倒的な安心感と信頼性

やはり大手は契約書や説明がしっかりしていて安心感がありました。
3社間ファクタリングで取引先に説明する際も、名の知れた大手企業の名前を出すと「ああ、あの会社さんなら」と、話がスムーズに進んだのは事実です。

これは精神的に大きなメリットでしたね。

デメリット:手続きの煩雑さと「融通の利かなさ」

一方で、正直に言って「お役所仕事だな」と感じる部分もありました。

  • 必要書類が多い:決算書や納税証明書など、揃えるべき書類が多くて大変でした。
  • 担当者の権限が限定的:ちょっとした交渉や確認にも、いちいち上司の承認が必要で時間がかかりました。
  • 初回利用の失敗談:取引先への説明方法で少し揉めてしまい、結局、申し込みから入金まで1週間もかかってしまいました。

手数料の安さは魅力的ですが、その分、時間と手間がかかることは覚悟しておくべきです。

【体験談】中小ファクタリング会社のメリット・デメリット

次に、年度末の繁忙期に急な資金が必要になり、中小のファクタリング会社を利用した時の話です。

メリット:スピードと経営者に寄り添う柔軟性

年度末の急な資金需要で相談した際、電話口で社長自ら対応してくれて、こちらの事情を親身に聞いてくれたんです。
必要書類も最低限で済み、なんと翌日の午前中には入金されました。あの時のスピード感には本当に救われましたね。

この「経営者の気持ちを分かってくれる」という感覚は、中小ならではの大きなメリットだと感じます。

デメリット:手数料の割高感と「本当に大丈夫か?」という不安

もちろん、良いことばかりではありません。

  • 手数料の割高感:やはり大手と比べると、手数料は数パーセント高かったです。緊急時のコストと割り切りました。
  • 最初の不安:正直なところ、「この会社、本当に大丈夫か?」という不安はありました。だから、申し込む前に会社の登記情報を調べたり、ネットの口コミを徹底的に検索したりしましたね。

信頼できる会社かどうかを自分で見極める手間は、中小を選ぶ際に必ず発生します。

あなたの会社はどっち?状況別おすすめ診断チャート

ここまで読んで、ご自身の会社はどちらのタイプが合っているか、少し見えてきたでしょうか。

最後に、あなたの状況に合った会社を見つけるための、簡単な診断チャートを用意しました。

5つの質問でわかる!最適ファクタリング会社診断

正直に「はい」「いいえ」で答えてみてください。

  1. 必要な資金額は500万円以上ですか?
  2. 入金まで1週間以上の時間はありますか?
  3. 取引先にファクタリング利用を知られても問題ありませんか?(3社間OKか)
  4. 自社の決算状況(黒字経営)に自信がありますか?
  5. 手数料の安さを何よりも優先したいですか?

いかがでしたか?

  • 「はい」が3つ以上大手ファクタリング会社を検討するのがおすすめです。
  • 「いいえ」が3つ以上中小ファクタリング会社の方が、あなたのニーズに合っている可能性が高いです。

【ケーススタディ】建設業・IT業・運送業…業種別の選び方

私のいる建設業のように、古くからの付き合いで取引先との関係性が非常に重要な業界では、いきなり3社間ファクタリングを切り出すのは勇気がいります。

まずは2社間でスピーディーに対応してくれる中小を使い、信頼関係が特に強い先にだけ大手の3社間を打診する、という使い分けも有効です。

一方で、仲間のIT企業の社長は、請求から支払いまで全てオンラインで完結する中小のサービスを「手間がなくて楽だ」と、うまく活用しています。

よくある質問(FAQ)

最後に、経営者仲間からよく聞かれる質問にお答えします。

Q: 結局、2社間と3社間はどちらが良いのですか?

A: 手数料を少しでも安くしたいなら3社間、取引先に知られずにスピーディーに資金化したいなら2社間が基本です。
私の経験では、長年の付き合いがある信頼できる取引先には3社間を、新規の取引先には2社間を利用するなど、相手によって使い分けています。

Q: 個人事業主でも利用できますか?

A: はい、利用できます。
特に中小のファクタリング会社は個人事業主や小規模事業者に柔軟に対応してくれるところが多いです。
ただし、大手の中には法人しか対象としない場合もあるので、事前に確認が必要です。

Q: 審査では具体的に何を見られるのでしょうか?

A: 最も重要なのは売掛先(取引先)の信用力です。
上場企業や大手企業向けの売掛金は審査に通りやすいですね。
その上で、請求書や契約書、通帳の入金履歴など、その取引が実在することを証明する書類がチェックされます。
自社の経営状況が赤字でも利用できるのがファクタリングの利点です。

Q: 債権譲渡登記は必須ですか?

A: 必須ではありません。
特に2社間ファクタリングでは、登記不要の会社を選ぶのが一般的です。
登記をすると取引先や金融機関に知られるリスクがあり、費用もかかります。
契約前に登記の有無は必ず確認すべき重要なポイントです。

Q: 手数料以外に費用はかかりますか?

A: 会社によっては、印紙代、登記費用(登記が必要な場合)、振込手数料などが別途かかることがあります。
見積もりを取る際には、手数料だけでなく「総額でいくらになるのか」を必ず確認することが大切です。

Q: 悪質な業者を見分けるポイントはありますか?

A: はい、いくつかあります。
まず、契約書を渡さない業者は論外です。
また、手数料が相場から著しく逸脱している(高すぎる、または安すぎる)場合も注意が必要です。
会社の所在地がはっきりしない、担当者の対応が横柄、といった点も判断材料になります。

まとめ

大手と中小、どちらのファクタリング会社にも一長一短があり、「どちらが絶対的に良い」という答えはありません。

大切なのは、自社の置かれた状況を冷静に分析し、その時々の「最適解」を見つけ出すことです。

  • 信頼性と安さの大手か?
  • スピードと柔軟性の中小か?

この記事でお話しした、私の経験が、皆さんの判断の一助となれば幸いです。

ファクタリングは、追い詰められた時の最終手段ではなく、経営を円滑にするための戦略的なツールです。

この記事を参考に、ぜひ貴社に合ったパートナーを見つけてください。

そして、もしよろしければ、皆さんのファクタリング体験も、ぜひコメントで教えていただけると嬉しいです。

経営者同士、知恵を出し合って、この厳しい時代を乗り越えていきましょう。

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