先日、私、佐藤が主催する「第1回ファクタリング利用者交流会」を横浜市内で開催いたしました。
「他の会社は、ファクタリングをどう使っているんだろう?」
「手数料って、うちだけ高いんじゃないか…?」
「いざという時、本音で相談できる相手がほしい」
私自身も経営者として、そしてファクタリング利用者として、ずっとこんな思いを抱えていました。
きっと同じように感じている経営者仲間がいるはずだ、と企画したこの会には、建設業、運送業、IT業など、様々な業界から20名もの経営者の皆さまにお集まりいただきました。
この記事では、その交流会で語られた、普段はなかなか聞けない経営者たちの「本音」を、主催者である私の視点も交えながらレポートします。
他社のリアルな体験談や課題を知ることで、あなたの資金繰りの悩みにも、きっと新たな光が見えてくるはずです。
交流会の概要と開催の背景
なぜ今、利用者交流会なのか?
ファクタリングの情報はネット上に溢れていますが、そのほとんどが業者側からの発信です。
私たち利用者にとって本当に知りたいのは、「手数料の相場」といった表面的な情報だけではありません。
「取引先にどう説明したか」「どのタイミングで利用を決断したか」といった、生々しい体験談ではないでしょうか。
そんな利用者目線の情報共有の場を作りたい、という思いが、この会を開催した一番の理由です。
私の経験では、経営の悩みは、同じ立場の仲間に話すことで、その重さが半分になる気がします。
参加者プロフィール:業種・規模・利用歴の多様性
当日は、本当に様々な経営者の方々にお集まりいただきました。
- 業種: 建設業、運送業、製造業、ITサービス業、飲食業など
- 企業規模: 従業員数名の個人事業主から、30名規模の会社まで
- 利用歴: 初めての利用を検討中の方から、10回以上のベテラン利用者まで
この多様性こそが、今回の交流会の価値を何倍にも高めてくれたと感じています。
会の進行スタイル:発表+座談会+フリートーク
会は、まず数名の方に体験談を発表していただき、その後はテーマごとにグループに分かれて座談会、最後は自由に交流できるフリートークという形式で進めました。
最初は緊張気味だった皆さんも、お酒が進むにつれて、どんどん本音を語り始めてくれました。
利用者の「本音」が飛び交ったテーマ別議論
ここからは、特に議論が白熱したテーマについて、参加者の皆さんのリアルな声をご紹介します。
テーマ1:最初のファクタリング利用、どう決断したか
迷いと不安の中での決断
やはり、多くの方が最初の利用には大きな不安と迷いを抱えていたようです。
「コロナ禍で売上が激減し、銀行に追加融資を断られた時、本当に目の前が真っ暗になりました。
藁にもすがる思いでファクタリング会社のサイトをクリックしたのを覚えています」(運送業・45歳)「大型案件を受注できたのは嬉しかったのですが、先行する仕入れ資金が足りず、黒字倒産の危機に。
仲間から『ファクタリングっていう手もあるぞ』と教えてもらい、決断しました」(製造業・55歳)
私の会社もそうでしたが、資金ショートの危機という「背に腹は代えられない」状況が、最後の一押しになるケースが多いようですね。
仲間の助言やネット情報の影響
一方で、情報収集をしっかり行い、戦略的に利用を決めた方もいらっしゃいました。
「事前にネットで3社の評判を徹底的に調べ、手数料や契約内容を比較しました」
「同じ業界の先輩経営者に、実際に使っている業者を紹介してもらったのが一番安心でした」
やはり、信頼できる情報源を持つことが、不安を乗り越える鍵になるようです。
テーマ2:手数料の妥当性と業者選びの視点
「高い」と感じた瞬間/納得できた要因
手数料の話は、最も盛り上がったテーマの一つです。
「初めて利用した時、手数料15%と聞いて正直『高い!』と思いました。
でも、あの時あの資金がなければ会社が潰れていた。
そう考えれば、事業を継続するための必要経費だったと今は納得しています」(ITサービス業・38歳)
手数料の金額だけを見るのではなく、その資金調達によって得られるメリット(倒産回避、機会損失の防止など)と比較して、妥当性を判断することが重要だという意見で一致しました。
対応の良し悪しが信用を左右
業者選びでは、手数料以外の要素を重視する声が多数聞かれました。
- 1. 担当者の対応: 「質問に対して、専門用語を使わずに丁寧に説明してくれた」「レスポンスが早く、誠実さを感じた」
- 2. 契約の透明性: 「契約書に『償還請求権なし』と明記されているか、必ず確認します」
- 3. 入金スピード: 「『最短即日』という広告を鵜呑みにせず、実際の入金までの日数をしっかり確認することが大事」
安さだけで選んでしまい、後でトラブルになったという失敗談も出てきました。
業者選びは、会社の命運を左右する重要な経営判断だと、改めて痛感させられます。
テーマ3:ファクタリングが経営にもたらした影響
資金繰り改善と精神的余裕
ファクタリングの最大のメリットとして、多くの方が「精神的な余裕」を挙げていました。
「月末の支払いのことを考えて眠れない夜がなくなりました。
資金繰りの不安から解放されたことで、本業の営業に集中できるようになったのが一番大きいですね」(飲食業・48歳)
この言葉には、私も含め、参加者の多くが深く頷いていました。
社内・取引先への説明対応の工夫
3社間ファクタリングを利用する際の、取引先への説明は共通の悩みです。
「『資金繰りが厳しいのか?』と勘繰られないよう、『売掛金の早期現金化で、より積極的に仕入れを行うための新しい財務戦略です』とポジティブに説明しました」
「経理担当者には事前に仕組みをしっかり説明し、協力を仰ぎました。今ではスムーズに連携できています」
伝え方一つで、相手の印象は大きく変わります。
これは非常に参考になる工夫ですね。
テーマ4:失敗談とそこからの学び
トラブル・後悔・気づき
もちろん、成功体験ばかりではありません。
「今だから話せる失敗談」も共有されました。
「手数料の安さだけで業者を選んだら、契約書に小さな文字で書かれた追加費用を請求され、結局高くついてしまいました。
契約書は隅から隅まで読まないとダメですね…」(建設業・51歳)
「こうすればよかった」の共有が生んだ安心感
こうした失敗談の共有は、「自分だけじゃなかったんだ」という安心感を生みます。
そして、「次はこうしよう」という具体的な学びにつながります。
これこそが、利用者同士で集まることの大きな価値だと感じました。
経営者同士のつながりが生む価値
「同じ立場だから話せた」参加者の声
会が終わった後、参加者の皆さんから嬉しい感想をたくさんいただきました。
- 「銀行や税理士には話せない、リアルな悩みを共有できて本当に良かった」
- 「他社の事例を聞いて、自分の会社の資金繰りを見直す良いきっかけになった」
- 「佐藤さん、第2回も絶対に開催してください!」
資金繰りの悩みは孤独な戦いになりがちです。
しかし、同じ痛みを知る仲間がいると知るだけで、心が軽くなるものです。
情報交換が業者選びやタイミング判断に直結
実際に、「A社は対応が丁寧だった」「B社は審査が厳しいと聞いた」といった具体的な業者情報も飛び交いました。
こうした生の情報は、ネット検索だけでは決して得られません。
このネットワークこそが、悪質な業者から身を守り、より良い条件で資金調達するための最強の武器になると確信しました。
ネットワークの広がりと次回開催への期待
今回の交流会をきっかけに、参加者同士で新たなビジネスのつながりが生まれたケースもあったようです。
主催者として、これほど嬉しいことはありません。
皆さんの熱い期待に応えるべく、すでに第2回の企画を始めています。
佐藤の視点:主催者として見えたこと
背景にあった「情報の非対称性」への問題意識
今回、会を主催して改めて感じたのは、ファクタリング市場における「情報の非対称性」の問題です。
どうしても情報を持つ業者側が有利な立場になりがちで、利用者は不安を抱えながら手探りで判断するしかありません。
この情報格差を埋めることが、私たち利用者のコミュニティが果たすべき大きな役割だと考えています。
想定以上に深かった共感と共有のニーズ
正直なところ、ここまで多くの方が集まり、ここまで深い本音を語り合ってくれるとは、始める前は想像していませんでした。
それだけ多くの経営者が、情報共有の場と仲間とのつながりを求めていたのだと実感しています。
今後の活動への手応えと責任感
このブログでの情報発信や、交流会の開催を通じて、少しでも多くの経営者の皆さんの力になりたい。
今回の会で得た手応えは、私にとって大きな自信になると同時に、その責任の重さを改めて感じる機会にもなりました。
まとめ
最後に、今回の「第1回ファクタリング利用者交流会」で見えてきた重要なポイントをまとめます。
- 1. 決断の裏には切実なドラマがある: 多くの経営者が、会社の存続をかけたギリギリの状況でファクタリング利用を決断している。
- 2. 業者選びは手数料だけにあらず: 担当者の対応や契約の透明性など、総合的な信頼性が何より重要。
- 3. 資金繰りの安定は心の安定: ファクタリングは、経営者の精神的な負担を大きく軽減する効果がある。
- 4. 失敗談こそ最高の学び: 他者の失敗から学ぶことで、自社のリスクを回避できる。
- 5. 利用者同士のつながりが最強の武器: 生の情報交換が、より良い判断と安心感を生む。
ファクタリングは、決して特別なものではなく、中小企業にとって有効な資金調達の選択肢の一つです。
大切なのは、正しい知識を持ち、信頼できる仲間と情報を共有しながら、賢く活用していくことだと考えます。
このブログが、皆さんと一緒に考え、学び合う場になれば幸いです。
読者の皆さんへ:「あなたの経験も、ぜひ教えてください」