皆さん、こんにちは。
「ファクタリング利用者の会」の佐藤です。
建設資材卸という仕事柄、私も資金繰りには常に頭を悩ませていますが、これはどの業界でも共通の悩みですよね。
特に最近、コロナ禍の影響が長引く飲食店の方々の苦労は察するに余りあります。
先日、旧知の仲である飲食店経営者の鈴木さん(仮名)から、「佐藤さんのおかげで、本当に店が救われたよ」と嬉しい報告を受けました。
彼は、私が以前話した「3社間ファクタリング」を活用し、資金ショートの危機を乗り越えたのです。
彼の話には、同じように悩む多くの経営者の皆さんにとって、大きなヒントが隠されていると感じました。
そこで今回は、鈴木さんの許可を得て、彼のリアルな体験談を皆さんにご紹介したいと思います。
目次
登場人物紹介:イタリアンレストランのオーナーシェフ鈴木さん
私(佐藤)との出会いと鈴木さんの店の状況
鈴木さんとは、地元の経営者交流会で知り合って10年来の友人です。
彼の店の状況は、多くの飲食店経営者の方が「うちと同じだ」と感じるかもしれません。
- お店: 横浜市内で20席ほどのイタリアンレストランを経営
- 人柄: 料理の腕はもちろん、人柄も良く地元で人気のオーナーシェフ
- コロナ禍前の状況: 地元では予約が取れないこともあるほどの繁盛店
- コロナ禍後の苦境: 緊急事態宣言や時短要請で売上が激減
- 打開策: テイクアウトや法人向けのケータリングで何とか売上を確保
- 新たな問題: ケータリングの売掛金入金サイトが長く、資金繰りが悪化
私も建設業なのでよく分かりますが、売上があっても、そのお金が手元に入ってくるのが数ヶ月先というのは本当に苦しいものです。
鈴木さんも、まさにその状況に陥っていました。
鈴木さんが直面した「静かなる危機」
売上はあるのに、なぜか現金がない
鈴木さんの店は、法人向けのケータリングが好調で、帳簿上の売上は回復しつつありました。
しかし、彼の表情は日に日に曇っていくばかり。
その理由は、建設業界でもよくある「支払いサイト」の問題です。
ケータリングの売掛金は「月末締め、翌々月末払い」。
つまり、4月に頑張って働いた分が入金されるのは、6月の末日ということです。
その間にも、家賃やスタッフの給料、食材の仕入れ代金の支払いは待ってくれません。
コロナ関連の協力金や、なんとか借りられた融資も、日々の運転資金であっという間に消えていきました。
「このままでは来月の仕入れ代金が払えない…。
利益は出ているはずなのに、店を潰すしかないのか…」
まさに黒字倒産の危機です。
数字の上では黒字でも、キャッシュが回らなければ会社は倒産してしまう。
この恐怖は、経営者なら誰しもが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
藁にもすがる思いで選んだ「3社間ファクタリング」
なぜ銀行融資や2社間ではダメだったのか
追い詰められた鈴木さんから、私に相談の電話がありました。
私も自分の経験を元に、いくつかの選択肢を一緒に考えました。
- 銀行からの追加融資: すでに融資枠は使っており、追加の審査には時間がかかりすぎる。来月の支払いには間に合わない。
- 2社間ファクタリング: 取引先に知られずに資金化できるが、手数料が10%~20%と非常に高い。ただでさえ厳しい状況で、その手数料は致命的だと判断。
そこで私が提案したのが、3社間ファクタリングでした。
「鈴木さん、ケータリング先との関係は良好なんだろう?それなら、手数料がずっと安い3社間ファクタリングという手があるよ」と。
手数料の相場は1%~9%。
2社間に比べて圧倒的にコストを抑えられます。
「でも、取引先に知られるのは…」と不安がる鈴木さんに、私は自分の経験を伝えました。
最大の壁を越えろ!取引先への「債権譲渡承諾」交渉の全記録
誠意が伝わる説明の準備
3社間ファクタリングで最もハードルが高いのが、取引先(売掛先)から「債権譲渡の承諾」を得ることです。
鈴木さんが最も恐れていたのも、まさにこの点でした。
「ファクタリングの利用を知られたら、『あの店は危ないんじゃないか』と思われて、今後の取引を打ち切られるかもしれない…」
この不安、痛いほどよく分かります。
そこで私は、伝え方の工夫についてアドバイスしました。
ポイントは、正直に、しかしポジティブに伝えることです。
- 準備1:目的の再設定
「資金繰りが厳しいので助けてください」というお願いではなく、「今後の取引をより円滑に進めるための、新しい決済方法のご相談です」という前向きなスタンスで臨む。 - 準備2:言葉の選択
「ファクタリング」という言葉に抵抗があるかもしれないので、「債権の早期資金化サービス」といった、より分かりやすい言葉で説明する準備をする。 - 準備3:安心感の提供
「御社には一切ご迷惑はおかけしません。これまで通りサービスを提供し、お支払い先がファクタリング会社に変わるだけです」と、相手の懸念を払拭する言葉を用意する。
交渉本番:ケータリング先の担当者へ
準備を整え、鈴木さんはケータリング先の担当者との打ち合わせに臨みました。
彼は後日、その時の様子を興奮気味に話してくれました。
まず、いつも通り丁寧な挨拶と世間話を済ませた後、こう切り出したそうです。
「いつも大変お世話になっております。本日は、今後のケータリングサービスをより安定的に、そして継続的にご提供させていただきたく、決済方法について少しご相談がございまして…」
そして、準備した通りに「債権の早期資金化サービス」の仕組みを説明し、「御社の支払い先が一時的に提携する決済会社に変わるだけで、手続き上のご負担やリスクは一切ございません」と明確に伝えました。
すると、担当者の方からは意外な言葉が返ってきたのです。
「なるほど、そういう仕組みがあるんですね。知りませんでした。鈴木さんのところのケータリングは社員にも大好評で、うちとしても本当に助かっているんです。もちろん協力しますよ!」
日頃から質の高いサービスを提供し、誠実な関係を築いてきたからこその結果でした。
鈴木さんは、胸をなでおろしたと同時に、人と人との繋がりの大切さを改めて実感したそうです。
資金調達成功!そして見えた未来
入金までのスピードと手数料
取引先の快諾を得て、手続きは驚くほどスムーズに進みました。
- 入金までの期間: 申し込みから審査、取引先の承諾を経て、約1週間
- 調達した資金: 売掛金80万円
- かかった手数料: 3%(2.4万円)
もし2社間ファクタリングを選んでいたら、手数料は10%(8万円)以上かかっていたかもしれません。
その差額は、経営者にとって非常に大きいですよね。
この資金で無事に食材の仕入れを済ませ、鈴木さんは店の営業を止めることなく危機を乗り越えることができました。
資金繰り改善がもたらした精神的な余裕
資金調達が成功して得られたものは、お金だけではありませんでした。
最大の収穫は「精神的な余裕」だったと鈴木さんは語ります。
キャッシュフローが安定したことで、お金の心配から解放され、本来やるべき業務に集中できるようになったのです。
「佐藤さん、お金の心配がないだけで、こんなに料理に集中できるなんて思わなかったよ…」
そう言って、新しいメニューのアイデアを嬉しそうに話す彼の顔を見て、私も本当に嬉しくなりました。
よくある質問(FAQ)
Q: 飲食店でもファクタリングは利用できますか?
A: はい、利用可能です。
特に法人向けのケータリングやイベント出店などで発生する売掛金が対象となります。
また、クレジットカード決済の売上(カード会社からの未入金分)も債権として買い取ってもらえる場合があります。
Q: 3社間ファクタリングを取引先に説明するのが怖いです。どうすれば良いですか?
A: 今回の鈴木さんの事例のように、「資金繰りが苦しい」とストレートに伝えるのではなく、「取引を円滑にするための新しい決済方法です」といったポジティブな表現で説明するのがコツです。
日頃から信頼関係が構築できていれば、理解を得られるケースは多いです。
Q: 取引先に知られずに利用したいのですが…
A: その場合は「2社間ファクタリング」という選択肢があります。
手数料は高くなる傾向にありますが、取引先に知られることなく資金を調達できます。
緊急度や取引先との関係性に応じて使い分けるのが良いでしょう。
Q: 手数料の相場はどれくらいですか?
A: あくまで一般的な相場ですが、3社間ファクタリングで1%~9%、2社間ファクタリングで8%~20%程度です。
これは、売掛先(取引先)の信用力や売掛金の額など、様々な条件によって変動します。
Q: 個人事業主の小さな飲食店でも利用できますか?
A: はい、多くのファクタリング会社が個人事業主にも対応しています。
ファクタリングの審査で最も重視されるのは、ご自身の経営状況よりも、売掛先である取引先の信用力です。
ですから、取引先がしっかりした企業であれば、個人事業主の方でも利用できる可能性は十分にあります。
まとめ
鈴木さんの事例、いかがでしたでしょうか。
彼の成功の鍵は、以下の2つに集約されると私は思います。
- 日頃から取引先と良好な関係を築いていたこと
- 誠実な姿勢で、ポジティブな伝え方を工夫して交渉に臨んだこと
3社間ファクタリングは、取引先の協力が不可欠というハードルはありますが、その分、手数料を低く抑えられるという大きなメリットがあります。
何より、今回の鈴木さんのように、ピンチを乗り越えることで取引先との絆がさらに深まることさえあるのです。
資金繰りの悩みは、経営者にとって本当に重く、孤独な戦いです。
しかし、一人で抱え込まずに、信頼できる専門家や、我々のような経験者にぜひ相談してください。
この記事が、鈴木さんと同じように最前線で戦う経営者の皆さんにとって、一筋の光となれば幸いです。
一緒にこの困難な時代を乗り越えていきましょう。